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泳ぎを覚えたのは #6 春の雲by.サユリ ニシヤマ

2020.03.12

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春の雲

春の雲は輪郭が弱く特徴があまり無い。

掴もうとか、乗ろうとか、そんな気持ちにさせてくれない、幼稚園児が描いたら白のクレヨンでぐちゃぐちゃにして終わりのような姿をしている。

職場の面談では、今の勤務に問題も不満も無い、このままで良いと伝えた。今欲しいのはお金でも休暇でもなく活力だ。将来のビジョンが見えないのでとりあえずこのままで、のとりあえずをいつまで続けていくのだろう。

と他人事のように思いながら私は観葉植物を部屋に増やすか、ということばかり考えている。

大きな葉っぱの大きな木が欲しい。最近飼い始めた猫が食べてしまわないような、猫なんかより大きい木が欲しい。私なんかより活力のある木が欲しい。

ついでに、枯れたガジュマルに刺す活力剤もほしい。ガジュマルは夏に行った沖縄が恋しくなって買った。でも引っ越しの時に一晩外に置いたらそれだけで葉が全て枯れてしまった。だったの一晩であんなことになるなんて、命だなと思った。あの気根が茂った根元に緑色の活力剤を刺してやりたい。鮮やかでツヤツヤの葉を早く撫でたい。

そして余った活力剤を私にも刺したら、何か実ったり咲いたりするかもしれない。

春のぼやけた雲はガジュマルと私に新芽をつけさせてくれるのだろうか。猫はそれを食べずに見守ってくれるだろうか。

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隣の畑にすごい発見が落ちてるかも。
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