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少年とマッチョのステップ、6パックの腹筋とHIPHOPの入り口by.So Ohashi

2020.02.09

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僕はドラマーとラッパーを両立している(ドラムを叩きながらラップをするとかではない)。客観的にみると変な気もするけれど、自分にとってはそんなに違和感がない。最近はどちらの活動も加速的になっているけれど、ドラマーをやっていることがラッパーとして、ラッパーをやっていることがドラマーとして、相互にプラスに働いているような気がしてる。

 

ルーツを考えてみると、多分子供の頃から母親がフィットネスクラブでエアロビクスやヒップホップ・ダンスの講師をやっていた影響が大きい。学校から家に帰れば、だいたい母親がブラウン管に映る黒人のマッチョを模倣してステップを踏んでいた。軽やかに。おかげで母親の腹筋は常に6パックだったし、子供からしてみれば流れているオールドスクールなヒップホップのビート感が自然に身についたのだ。

 

初めて買ったCDはSMAPだったが、家ではEminemやKanye West、OutkastやJAY-Zなど2000年代のHIPHOP、UsherやNelly、R.KellyといったR&Bが昼夜流れており、僕は毎日毎日それらを聴き流しながらテレビのワイドショーをつけ、冷蔵庫に入っている焼うどんをレンジでチンして食べていた。あの時間はマジで永遠みたいだった。

 

グラミー賞のノミネート・アルバムは毎年親の影響で聴いていた。あんまり良さが分からなかったけれどいくつかの曲は気に入ってMDに入れて聴いていた。自分の音楽的ルーツを自覚したのは高校生〜大学生の頃だけれど、今思えばAlicia KeysとかKT Tunstall、Coldplayあたりが気に入っていたのはUKロックの入り口だったし、HIPHOPに関してはものすごく自然に聴いていた。

 

 

 

 

小学生5年生くらいの時、6年生になったらドラムをやりたいと思い始めた。僕の小学校では毎年11月ごろに音楽会が開かれていて、6年生の合奏ではイケてる先輩がドラムを叩くのだ。曲は確かスピッツとかだった。結果、6年生になってドラムの座はクラスのイケてるやつに取られた(彼はすごく運動ができてバレンタインのチョコもたくさん貰っていた)。それでも興味があった僕は音楽の時間の終わりのチャイムが鳴ってから、音楽室に置いてあったドラムセットを少し叩かせてもらった。確かその場で8ビートが叩けて、先生に褒められた。それが嬉しくて、音楽会でドラムをやることだけが目的ではなくなったのだ。その後3年くらいは中学でサッカーに明け暮れるも、ドラムやりてえの気持ちが舞い戻ってきた結果、少年はスパイクを脱ぎ捨ててスティックを持った(ええように言う)。

 

中学校の時は同時にギターにもはまっていた。GO!GO!ギター(懐かしい)を買ってきては適当な曲をコピーして歌ってみたりしていた。そんなこんなで高校の軽音楽部に入りドラムをやるも、文化祭には弾き語りで出て自分の曲をやったりしていた。

 

要するにあの頃の音楽の衝動って、思春期であり反抗期の叫びとイコールだった。今思えば大したものではないのだろうけど、言いたいことがめちゃくちゃあった。だから言葉にしたかったのか、言葉にするしかなかったのか、自ずと歌詞を乗せて曲を作っていた。中高生の頃のもがき苦しみのさなかで、音楽を自分のフィールドでありアイデンティティだと捉えた自分は、楽しければなんでも良かったけれど、多分ドラマーとしてバンドに参加することには「他人と一緒に一つのものを作り上げる楽しさ」を感じていて、一方で自分で言葉を綴って曲にすることには「自分が中心となって作品を背負う面白さ」を感じていたのだと思う。「曲作れるやつカッケー」みたいな感じ。

 

いろんなバンドをやってきたなかで、いつもフロントマンには感謝しているし、良い曲を作れる人は本当に凄いと思っている。ドラムは最高に楽しい楽器だ。それと別軸で生きていた「曲作れるやつカッケー」「フロントマンカッケー」みたいなやつがラップに結びついたのかもしれない。ほんのきっかけでラップをする機会を色々と貰うようになったけれど、①表現方法としてしっくりきている②リズムに対する感覚が鋭くなってきていることの2点から、続けることに意味がありそうだなと思っている。

 

長くなったけれど、とにかく心のリビングルームを覗き込むといつもリズム感ゴリゴリの黒人がいて、お前の人生ビートに乗ってっか?と問いかけてくる。そこでドラムを叩いても韻を踏んでも良いと思う。大事なのはお前自身がカッケーかだ。「カッケー」が正解なのかはわからんけど、それはまた別の話。

 

 

 

 

P.S.
出演・編集しているWALKIN’ IN THE RHYTHM #2、後編が明日公開です。参加してくれた伊佐さん、亜衣さん、クララさん、かんちゃん、プロジェクトリーダーのKTY、カメラの浜さんありがとうございました!
お見逃しなく!

 

 

一度ボツになったビートにラップを入れて再生させるエコな取り組み「ボツビート供養会」の最新リリース音源。”AM4:00″、”秘密の関係”に参加しています。

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