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2017.11.27

【FEATURE】数珠つなぎインタビュー#3 ズカイのマンクモからBalloon at Dawnの井口聖也へ。

前回:【FEATURE】数珠つなぎインタビュー#2 Tsugumi Akimitsuからズカイのマンクモへ。


Interviewer: マンクモ (ズカイ, Allancmo)
Interviewee: 井口聖也 (Balloon at Dawn)

大阪のとある街の端で、気軽に集まった同世代の2人。共に才能溢れる若きバンドリーダーであり表現者だけれど、そのアウトプットは別々の道を行く。
「人間味」が、作品へとどう溶け出すのか–––。井戸端会議のように寄り道しながらも、目に映るもの、耳にするものは最大限に新鮮な2人の対話。

話は”水曜日のダウンタウン”でBalloon at dawnの曲が使われた話から始まる。

お笑い芸人の芸術性について

マンクモ:
一個夢があって、芸人さんとかと飲みに行きたいねんな。

井口:
わかる。俺が好きなのは又吉さん。芸人さんって言葉のプロというか、ほぼ詩人みたいな感じやん。
言葉の中に詩を見つけるセンスとかが、笑いになってるというか。

マンクモ:
純文学とかって実体験を基にしてるから、すごく人間臭いものであったりするよな。
だから落とし込み方が違うだけで、そういう芸人さんが出てきたりもしたり。そうか、又吉フォロワーなんか。

井口:
芸人さんはめちゃくちゃリスペクトしてる。
だって笑いを取るってすごいことじゃない?

マンクモ:
せやなー。ロケ番組とか、偶発的にその場で起こったことで笑いを取ってるの見たらすごいなって思うもん。
あと最近やったら、キングオブコントとか見た?
コントって全体の流れでここを盛り上げようとか計算されてると思うと、すごく芸術性があるよな。
結構テレビとかって今見ない人おるやん。結構見てる方?

井口:
結構見る方やな。

マンクモ:
俺らじゃできないことを叶えてくれる夢あるよな。テレビって。あんなん金がないとできへんやん、みたいな。
バラエティ見てたらここでこうしないとあかんねや!とか気付かされる。フリとかツッコミとか含めて。
ラジオとかすごいしてみたいもん。話し相手がいるけど。こうやって話してくれるやつが・・・

井口:
おもろいやろうな〜。

マンクモ:
でもお互いがはまれば可能な夢じゃない?

井口:
そうなりたいとは思うな。
自分ができるかはわからんけど・・・

人間性が見えるか、見えないか

マンクモ:
完璧に面白い必要はなくない?それが人間味やろ。

井口:
人間性をどこまで出すかっていうのはこの対談の一個のテーマやな。音楽で言うとズカイはどうなん?

マンクモ:
そこはバルーン(Balloon at Dawn)とうちは真逆やと思う。俺らは結構人間性丸出しやからなあ。

井口:
東京のインディバンドとかって暮らしを連想させるものが多いやん。自分の生活レベルでの制作が多いというか、キーワードになってるというか。そのあたりはうちは違うのかなって。

マンクモ:
けっこうバルーンは年齢層が若い人に受けるんじゃないのかなって勝手に思ってたりするねんけど。
あえてやってんのかな?

井口:
うーん、その時に俺らが思ったことを現在進行形でやってたから、自然体かな。
1stでは10代終わるくらいの時期の表現をして来て、2ndでハタチになった時期の表現をしてるから。
結局その時思ってたことしか書いてなかったかな。

マンクモ:
なるほど。

井口:
今回、三部作にしようと思ってて、次に出す予定のアルバムを三部目として考えてる。
1stに登場した少年少女たちが時間が経過して、どんな風に成長、変化していくのかみたいな。

マンクモ:
なるほどね。あえてストーリー作ってるような感じで書いてるん?

井口:
1stの頃は現在進行形でただその時浮かんでたイメージを描いてて。まあ時間が経って、実際自分も歳とって。
もっと突っ込んだ話すると、一つの街で起こったことを今、描こうとしてるところで。
それぞれアルバムは、何個かのストーリーラインとして完成してるんやけど、三部作通してのテーマの一つとして「時間」ってのがあって、1stでは自分の後ろにあったもの、2ndでは夢から覚めた現在や現実、3rdではどこにもいない誰か、っていう、単純に過去、現在、未来っていう時間軸じゃないものを描こうとしてる。
まあ、テーマが5,6個くらい出て来ちゃってて、どう収拾するのかってとこはまだ考えてるんやけど。

マンクモ:
それは3rdで終着点がどこにいくかってこと?

井口:
パラレルワールドがテーマにあって、1st、2ndとは違う都市の話。例えば、もしこの街で育っていたらどうなっていたのか。とか。「外の世界を知る」っていうのが3rdで描かれてる世界線。

マンクモ:
なるほど。
エピローグ的なアルバムってこと?

井口:
1st、2ndの伏線、までいかないけど、それを通して拾い上げて、一つ気づいたことがある、くらいの感じかな。

マンクモ:
いいなぁ。そういうでっかい流れっていいな。それを何年かかけてやってることが。

井口:
まあ結局後で気づくこととかって多いけど。
自分で書いてても、この曲とこの曲で繋がってたんやとか。自分で書いてるからこそ自分の中にある世界があったりする。

マンクモ:
俺はけっこう一曲ごとにテーマを決めて書いてるから、あんまりそういうのはないねんけど無意識に繋がっていくっていうのはわかるな。

井口:
そうそう。ツアーやって思ったのも、まさに外の世界を知るというか。人として得たものがあったなって気がする。
なんていうか、結構、同じ日本でも環境がめちゃくちゃ違うかったりするんよ。
当たり前やけど。桜の季節は過ぎてたのに北海道はまだこれから咲く、とか。
そんな場所でも見に来てくれる人たちがいたりとか。
そういうことにすごい感じるものがあって。

マンクモ:
なるほどな。人間性出てるな。人間性の出方は違うけど。面白いなあ。

PUNPEEの”MODERN TIMES”がもたらしたもの

マンクモ:
水曜日のダウンタウンと言えばやけど、PUNPEEの新譜聴いた?

井口:
めっちゃ良かったな〜。

マンクモ:
俺もう、最初のトラックでウワァ〜ってなって。
なんていうかこの曲が良いとかではもはやない、アルバムの良さが出てて。どれが一番良かった?

井口:
シナリオかな。(#6 Scenario(Film))

マンクモ:
あのアルバムも全体的に架空世界の話で、人間味がないっていうことに、逆に人間味がある感じがしたな。
KOHHとかtofubeatsとかがおるから、自分みたいなもんはおらんくてもいいとかって発言してたと思うけど、
すごく人間味がある人やんな。

ソングライターとして、ミュージシャンとして、日本人として

マンクモ:
これからお互いにどういう制作になっていくんかな。

井口:
言語に囚われない音源を作るのか、コンセプトありきで作るか、好き勝手に作るかとか、色々考えてるけどね。

マンクモ:
最近気付いてんけど、英語で書いた途端、すごく届く範囲が広まるよな。よくある、日本語の響きがいいから、それにするっていう考え方にはすごく同意するけど。

俺、Pitchforkめっちゃ見るねんけど、韓国の人らがベストトラックに選ばれてて。Aメロが韓国語で、ナンノコッチャわからへんねんけど、途中から英語入るねん。そこでなんか俺らにもわかる親しみが急に来るというか。まあアクセントが上手いとか色々あるとは思うけど。

▷米音楽メディア:
Pitchfork | The Most Trusted Voice in Music.

井口:
俺は逆かな。
日本語で、日本人の音楽として、外に受け入れてもらうのが自分の目指すところだと思ってる。
でも英詞のバンドはめちゃくちゃ増えると思う。

マンクモ:
やろうな。

井口:
ストリーミング全盛の時代になってくるし、規模は確実に広がるやろうな。

マンクモ:
今音楽って売れないってなってるけど、もうちょっと経ったら、そんなことなくなったりするんじゃないかって思ったりするんやけど違うんかな。

井口:
音楽産業自体は上向いてるみたいな話は聞いたけど。

マンクモ:
そうなんや。

井口:
やっぱりストリーミングの収益が影響してるのは海外中心で、日本ではまだまだやったりするよ。
だからこそ英詞でやるっていうのはすごくわかる。

マンクモ:
結局俺らの音楽って欧米からの見られ方としてはインドとかと同じようなもんかなとか思うもん。
向こうの人たちが日本人とコラボやったりとかさ。色物的な。
でも音楽が売れへん時代終わると思う派やねんけどなー。
店舗が売れへんってなってAmazonが売れるような感覚で。

井口:
どうなんでしょうね。
まあ有名にはなりやすい環境にはなると思う。

マンクモ:
うん。
tofubeatsの台湾のライブで、日本語の曲を台湾人が熱唱してるのを見てなんか、めっちゃ感動してん。

井口:
作り手も、音楽との接し方が変わってくるんやろうなとも思う。
それこそメジャー行って、っていうことだけじゃなくなるんやろうな。

マンクモ:
バルーンはそこらへん計画とかあったりするん?

井口:
んー。どうなんやろうなー。
メジャーレーベル反対とかは全くなくて。
かといって自分がそのレベルいってるとは全く思ってなくて。協力してくれる人には協力してほしいし、自分でもある程度ノウハウを学びたいっていう感じかな。

マンクモ:
なるほどな。
あ、すんません、白のグラスワイン一つ。



■Text: So Ohashi
■Photo: タツミヒカル

■Balloon at Dawn

▷Release
Ancient Youth Club and Balloon at Dawn / Carousel
発売日 : 2017年12月6日(水)
価格 : 1,000円(税込)
収録曲:3曲
1. Slip out (Ancient Youth Club)
2. hanagumori (Balloon at Dawn)
3. Carousel (Ancient Youth Club and Balloon at Dawn)
特設HP:https://ayc-balloon.tumblr.com/
■ズカイ

▷Live
12/9(Sat)北浜Peggy Sue×地下酒場
「退屈が僕らを」
w/接近!UFOズ/くつした/IKIMONO

12/30(Sat)京都二条nano
年末特別企画「放て!不意の交響詩~夏は今遠く、遥か向こう~」
w/ハンブレッダーズ/THE FULL TEENZ/Superfriends

■Allancmo

▷Release
Allancmo / Concrete of Summer
発売日 : 発売中
価格 : Free Download
レーベル : Ano(t)raks
品番 : ANO-036
収録曲:3曲
1. 過ち / Indiscretion
2. コンクリート
3. think of you

視聴・購入:Ano(t)raks Bandcamp