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2019.04.07

【TENANT 102】喫茶 つぐみの部屋 #5

喫茶つぐみの部屋#5

胸の奥に灯る感情や、骨の芯に宿るタマシイのようなものを
自分のもっている表現力だけでは
そのすべてを、想い描いたままに放つことができないことは、どうしてもある。

撮ったり、つくったり、描いたり、書いたりすることを
生業にしていながら、その“作業”をすることにとらわれて
伝えようとしていることを伝えられているのか、
自問自答し、内側と外側を行ったり来たりする瞬間もある。

そんなときに救ってくれるのは、側にある小説や詩や映画や音楽。
すでにこの世に生まれ、私の心に刻まれている作品たち。

私は狭くて窮屈な世界に小さく座り込んでいたことに気づかされる。

悩んで、行き詰まって、凝り固まってしまった
私の脳みそをサクサクと切り開いて
爽やかに息吹を吹き込んでくれるような
真新しい種子を植え込んでくれるような

一文読み進める度に、次のページを開く度に
台詞の意味を知る度に、メロディを耳にする度に。

そうした細部のきらめきを発見することで、
角度を変えて歩きはじめる柔軟さや
このまま信じ続けて貫く勇気や
小さくて力のない自分を強く抱きしめる潔さを
私に与えてくれた。

今回は、こうしてこれまでの私をつくりあげてくれた
作品たちを讃える、感謝の文とします。

つまり、つぐみの部屋の「本棚」は一旦解体!

今まで手にしてきた作品のほとんどを手離し、
新たな出会いを望む第一歩。

全てが思い入れのある作品であることは言うまでもなく、
手放す決断をするのは時間がかかるけれども
改めてひとつひとつの作品と向き合う
大切な時間を過ごしている。

これから先は、モノとして手元に残ることはなくても
胸の奥と骨の芯まで浸透し、大切な私の成分になっていく。していく。

私の部屋の棚に、長らく腰を据えてくれていた
数々の作品たちに感謝致します。

喫茶つぐみの部屋#5

そして次に生み出すのは、私たちなのである。

2019.4.7