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2019.06.09

【TENANT 102】喫茶 つぐみの部屋 #7

喫茶つぐみの部屋#7

あたらしい道を覚えはじめてる

駅から駅へ電車に乗っているだけだと
街を、点と点でつなぐような感覚になるけれど

自分のあたまの中にインプットした地図をもとに
自分の足で歩いたり
自転車やスクーターに乗って道をたどることで
それまでは点でしかなかった街が
線になってつながっていく感覚がきもちいい

線の上でしか見えない景色があることを知ると
つい地上を歩いていたくなってしまう

郵便ポストが、ぽつんと佇む

民家の一角のみかんの木の下で
おばあさんが、ぼーっと立つ

顔よりも大きなヘルメットをかぶったこどもたちが
ちいさな自転車を小さな足でちょこちょこと漕ぐ

ピザの配達バイクに乗ったおにいさんが、道を間違える

夕暮れ時のスーパーへお母さんたちがいそいそと
晩ご飯の材料を買いに行く

赤紫のマジックアワーは、
信号待ちの私たちをやさしく包み込み癒してくれる

時間がかかっても遠回りになっても
自分の足で辿るからこそ
自分にしか見えない景色があることを
信じてみたくなる

その景色は「生活」の幸せを
教えてくれるときもある

線はまたいつかどこかでつながる
行止まる場合もある
一方通行しか許されない場合もある
進んだり止まったり戻ったりする
よくできているなあ、と思う

今日もまたあたらしい道に出会えたらいいなあと
ぼんやり思う