2018.04.27

【TENANT 406】Dog Days #2

僕は天邪鬼に憑かれている。

突然何を言うんだと思うだろうが真剣だ。

いや、正確には天邪鬼が憑く類のモノなのかは定かではないが。

そもそも天邪鬼で例えていいのかもわからない。

とにかく僕はいろいろ裏目に出やすい星の下に生まれたらしい。

というのも先日の土曜日、
休日の朝に暇を持て余していた僕はテレビからシャカシャカと
流れてくる音声に耳を傾けていた。

どうやら星占いらしい。

僕は占いや心霊といったものは信じない口だ。
占いなんてものは不吉な占いが出れば
「大丈夫。所詮占いだから」とカップルは笑い飛ばし、
いい結果が出れば「やった!」と歓喜するという、
実に不可思議で傲慢なものだと思っていた。

とはいえ僕も子供ではないのだ。
信じることのできそうなくらいの可愛い嘘は、
なるべく信じてみることにして、
画面を眺めていると、乙女座は1位らしい。

先ほど不可思議で傲慢といったが、やはり悪い気はしない。
「あなたが今日のラッキーマン!」と言われれば、
「そしたら外にでも出てみようか」という気分になるものである。

かくして、地元の古本屋に出向く決心がついた僕だが、
一人で行くのも寂しいものなので、
地元が近い子を誘って付いてきてもらうことにした。

ここからなのだ。

いざ、目的地に到着すると、嫌に暗い。
定休日じゃないはずの古本屋は静寂と暗闇に包まれているのである。
主人が日曜大工スキルを活かしたであろうはずの看板は表で棒立ちだが。

どうにも出かけているわけではなさそうだ。
だが、頑なに開かない扉をこじ開けるわけにもいかず、
落胆の声を上げるが、こればかりはどうしようもない。

「大丈夫。ラッキーなハズ」と、再び思い込み、
近くで気になっていた店へ、今度は足を運ぶことにした。

歩いて10分。距離にして700メートルほどの場所に向かい、
「大丈夫。酒でも飲めばラッキー、いやハッピーだ」と、
意気揚々と目的地を探す。

ところがどうだろう。
暖かく迎えてくれるハズの店の暖簾は降ろされ、
冷たいシャッターが閉まっているだけだ。

やはり占いは信じられん。

「何がラッキーなものか!」
と、行動が全て裏目に出てしまった僕は
最初の思考にすっかり逆戻りしてしまった。

とぼとぼと歩いた道を戻り、
以前に満席で入れずじまいだった居酒屋へ行くことに。

だが、ここの店がとても良かった。

結局、そこで美味い酒とご飯にありつけた僕は
「やっぱり占いは当たってたのかもしれん」と、
またしても逆戻りから逆戻りして思考が一周。

兎にも角にも最後に素晴らしい店に入れたから、
やっぱりラッキーなのかも。
なんてことで締めくくったわけだ。

だけど4月27日、今日の朝の僕の運勢は最下位。
「こんなもん、あてになるか」と吐き捨てる僕。

その程度のものなのである。
信じれば救われるとは真理かもしれない。
つまり、信じたい時に信じれば良いのであると、
勝手な解釈をして、すっかり天邪鬼のことは忘れ、
始まった今日の朝だった。